
みなさんほたるびです
スーパーファミコンの名作『ドラゴンクエストV』を、なんと今さら初プレイしてみました。
正直、「ビアンカとフローラ、どっちを選ぶ?」くらいしか知識がなく、まっさらな気持ちで始めたのですが——いやぁ、思っていた以上に重くて、そして深いお話でした。

名作と名高いドラクエ5。いつかはやろうと思ってたけど
発売から30年近く経ってからになるとは思わなかったよ!!
■ 『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』とは?

『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』は、1992年9月27日にエニックス(現スクウェア・エニックス)から
スーパーファミコン用ソフトとして発売されたRPGです。
開発はチュンソフト、音楽はすぎやまこういち氏、キャラクターデザインは鳥山明氏と、シリーズではおなじみの黄金タッグが手がけています。
物語は、主人公が幼少期から青年期、そして父親となるまでを描く“親子三代の物語”。従来の「勇者の冒険」から一歩進んだ、“家族の絆”をテーマにしたドラクエとして高く評価されています。
また、シリーズで初めてモンスターを仲間にできるシステムを採用。
スライムやキメラなどの敵キャラが味方として活躍するという、
後の作品にも影響を与えた革新的な要素が加わりました。
さらに物語の途中では、結婚相手を選ぶイベントがあり、
ビアンカとフローラ(のちのリメイク版ではデボラも登場)という
2人—or 3人—のヒロインの中から花嫁を選ぶ選択肢がプレイヤーに委ねられています。
本作はその後、
PS2版(2004年)
ニンテンドーDS版(2008年)
スマートフォン版(2014年)
■ 序盤:子供から始まる冒険とパパスの存在感
まず驚いたのが、主人公が最初は子供だったこと。
お父さんのパパスと旅をするのですが、このパパスがとにかく強い。
「親ってすげえ!」を体現するような圧倒的な強さで、序盤は守られている感が半端なかったです。

……が、案の定の展開。
ラインハットで誘拐された王子を助けに行くも、そこでパパスが敵に殺されてしまう——。

しかもその後、主人公は敵に連れ去られ、奴隷として長い年月を過ごすという重すぎる展開に。

文字とドット絵だけなのに、心に刺さる悲しさがありました。

主人公の人生これからどうなっていくんだろう・・・
■ 中盤:奴隷生活からの旅立ち、そして出会いと選択の時
奴隷生活を経て数年。大人になった主人公が、かつての友人や仲間と再会し、再び旅に出ます。
モンスターを仲間にできる新要素もあり、一気に戦闘に対しての自由度が上がってきました。ただ仲間システムは面白いですが、全てのモンスターが仲間になるわけでもなく、仲間になる条件もよくわからないという状態で進むので、この辺りは詳しい説明が欲しかったところです。

とくに奴隷友達のヘンリー王子が抜けたあとは、しばらくはモンスターとしかパーティーを組めないのでしっかり準備をしておきたいですね。

奴隷解放後の冒険の目玉としては、奴隷になる前に分かれてしまったチロル(キラーパンサー)との再会、サラボナでの結婚イベント、ヒロインとの間に生まれる双子の子供たちと当時のRPGのストーリーから見ても衝撃的な展開のオンパレードだったんじゃないかと思います。

とくに結婚イベントに関しては、このゲームをしたことない私でも知っているぐらい有名なイベントで、ビアンカ派かフローラ派で対立しているとかも聞いたりします。

ストーリーでは主人公はグランバニアという国の王子で、先代パパスの後を継ぎ王様になったり、ビアンカが出産直後に敵に攫われ、王様になって早々に助けに行った先でビアンカと共に石化させられるという、またまたな不遇っぷり。

この主人公はいいことがあると悪いことが起きて相殺されないといけない呪いでもかけられてるのかというぐらい可哀そうな境遇だよね。
■ 終盤:家族の再会と“家族の物語”
石化されたまま数年が経ち、息子達によって石化を解いてもらい、行方不明のビアンカを探す旅へ。
そして、あてのない出だしでとりあえず母の故郷に行ってみることに、ここから唐突に魔界の存在や世界に脅威が訪れていてみたいな、世界を救うことを匂わされる展開に
ただ目的としては、あくまでビアンカ探しでどこにいるかわからないから、流れで進んできていろいろ解決した感が強い。そしてこのあたりから手探りで目的地を探す感が強かった。

たぶんどこにいけばいいかわかってる人だとラストダンジョンまでそんなに時間はかからないんだろうけど、世界中を回れるようになるので、知らない方からすると一つずつ潰して行くしかないのが辛かった!
とくにマスタードラゴンのくだりとかこいつを復活させるとどうなるとかもなく、世界を統治的なこといってるけど、結局ビアンカの居場所とか教えてもらえず、ただの乗り物と化してしまっている残念なドラゴンさんだった。

シリーズをほとんど遊べてないので間違ってるかもだけど、ドラクエって最後のほうにならないと、敵の存在がわからないことが多い印象。

今作でも魔王ミルドラースの名前が出てきたのって最終ステージの1つ前みたいな感じだったし、直接的に世界に影響を与えてくるシーンとかがないから、なんとなく悪い奴みたいな抽象的な存在感しかなかったな~といった感想。
もちろん、主人公の母親を拉致って魔界との門を開けようとして侵略を企てたりとか、部下?(ゲマ、イブール)を使って人間を奴隷にしたりとか、少なからず影響はあったんだろうけど、描写的には教団が勝手に崇めていて、人間に害を与えていたシーンしかなく、ミルドラースとの対峙した場面でも具体的に何がしたかったのかよくわかんないまま終わってしまってやや消化不良感が残ってしまった。

ドラクエVを終えて思ったのが主人公を取り巻く「家族の物語」。
親子三世代にわたる展開は、シリーズの中でも特別な物語となりました。
仲間と冒険するこれまでのドラクエとは違い、「家族」というテーマが特に強い作品だと感じました。
■ 驚いたシステムや発見いろいろ
今回プレイして、「自分の知っていたドラクエ」とは違う点がいくつもありました。
- とびらコマンド
鍵のかかっていない扉でも、調べないと開かない。地味だけど懐かしい“レトロの作法”を感じます。一応Xボタンでも開くことはできますがコマンドとして用意されているのが新鮮でした。

- 戦闘中の馬車システム
前衛が全滅しても、馬車から仲間が出てきて戦闘が続行!
ゲームオーバーを避けられる便利な仕組みだけど、「やられる前に助けてよ!」とツッコミたくもなりました(笑)。
■ お嫁さん選び:ビアンカ正ヒロイン感、強すぎ問題
有名な“花嫁選びイベント”ですが、実際にプレイしてみると……ビアンカの存在感が強すぎる!
子供の頃に一緒に冒険した幼なじみで、しかもパッケージにも登場しているし
これはもう、だいたいの人がビアンカを選んじゃうと思います。

もちろん、フローラが悪いわけではありません。というかどんなポテンシャルがあるのかは非常に気になるところです。
軽く調べた限りだと、個人的には特技の使いやすさはフローラの方に軍配があがりそう。
リメイク版ではさらにデボラという3人目のヒロインも登場するそうで、選択によって覚える特技が変わるので、冒険の難易度が変わるのも面白い要素ですね。
■ 良かったところ
- 家族をテーマにした物語が新鮮で感動的
- モンスター仲間システムが面白い
- スライムナイトの万能っぷり
- 当時としてはかなり壮大なストーリー構成
■ 惜しかったところ
- ヒロイン(ビアンカ)が再加入するのが遅く、メインパーティに入れにくい
- 武具やアイテムの説明が簡素で、隠し効果が分かりにくい
- 仲間モンスターの加入条件が不明瞭
- 終盤の目的地探しが分かりにくい
■ クリア後に知った小ネタ・裏技
クリア後に調べて知ったのが、伝説の裏技「ひとしこのみ」。
主人公の持ち物を特定の順番にすると、会心の一撃が必ず出るというチート級の効果!

さらに仲間モンスターも確定で仲間になるなど、信じられない仕様です。
実際クリア後に試してみましたが、これはゲームバランスを間違いなく壊す裏技でした。
ただ、結婚イベントのために2週目を遊びたいといった人には、時短にもなって助かる要素だと思いました。
他にも、装備品には様々な追加効果があったりとかも調べないとわからないことがたくさんありました。例えばてんくうのつるぎはアイテムとして使うといてつくはどうを出せたりと、最初に教えてくれよとツッコミたくなる要素が結構隠されていました。
当時リアルタイムで遊んでいたら絶対に知らなかっただろうなと思うし、
こういう“あとから知っても楽しい”のがレトロゲームの醍醐味ですね。
■ まとめ:30年越しでも色あせない名作だった
今回初めて遊んでみて、『ドラゴンクエストV』は「ただの冒険譚」ではなく、
「家族の物語」を描いた特別な作品だと強く感じました。
とくに目的として王様から魔王を倒せとか命じられわけでもなく、徐々に明かされる黒幕の正体と主人公の家族を巻き込んで戦わされていく構図というのが、すごいストーリーだと思いました。
レトロならではの不便さも含めて味があり、今プレイしても全く色あせない。
30年以上前の作品とは思えない体験でした。
そして今後の期待として——
ドラクエシリーズはこれまでに様々なタイトルでリメイクが行われ、
最新では「HD-2D版ドラクエIII」も発売され大きな話題に。
ならば、ⅤやⅥのリメイクもいずれ来るかもしれません。
もしリメイクされたら、今回感じた“家族の物語”を、
現代のグラフィックと遊びやすさで再び体験したいですね。
最後にひとつ。
みなさんなら、花嫁は誰を選びますか?
全体評価:9/ 10点
感動・ボリューム・完成度、どれを取っても「名作」と呼ぶにふさわしい一本。
初プレイでもしっかり心に残る、まさに時を越えて愛される作品でした。
仲間モンスターの加入条件がわかりやすければ満点だったかな。
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